父性の導入 (保科家の場合)

いっとき我が家は母子家庭になった。爆
子供達が小学生3年生、1年生の時に主人が脱サラ。
経済状態がてんやわんやになった。
主人は家族どころではなく、
その立て直しが第一優先なった。

男の子の場合、母性のあと、父性。
何処かで、そんな教育講義を受けた。
先生が力説していたなぁ・・・
だから、小学生のうちは、母性だけでなんとかなると思った。
家族で、最初で最後の海外旅行に行ったのを最後に、
父性とは距離をおくことになった。

主人は、まさに暗闇時代突入。
つらかったと思う。
でも、放ったらかしにした。
だって、大人だもんね。
何となるって信じていた。

私は、自分の仕事を頑張り、子供達だけは何としても守ろうと思った。
食事、教育・・・
と言ってもそれはそれで、3人は、割と楽しく和気あいあい?
過ごした。
ピアノのコンクールに燃えたり、
3人でなけなしのお金をはたいて(笑)、海外旅行に行ったり、
母子家庭を楽しんだ。

あっという間に、9年がたった。
気づけば、息子たちは思春期。
彼女のこと。
進学のこと。
一人暮らしのこと。
就職のこと。
男として自立して行くこと・・・

私だけでは、なんとも荷が重くなった。
やっと経済的に安定した主人に手を借りようとしたら、
敬遠された。ははは。

主人は、息子たちにどう付き合っていいか、
わからないといわれた。
特に次男と。

ああぁぁ、そうっかぁ。
完璧に離れすぎてしまったんだ。
手をかけまいと主人と子供達を、距離を置いたのが、
いつの間に彼だけ孤立してしまっていた。
なんだかかわいそうになった。
同じ家族なのに・・・

そこで一計を案じて、家族時間復活宣言をした。
久しぶりの外食。
うまく行った。
これは、チャンスだとおもった。
我が家には、今こそ、父性の導入の時期だと思った。
(それは、父親でなくてもいいと思う。父性の存在は。)

息子たちは今、自分の将来に少なからず不安を抱えている。
それは目前に迫った社会が、不透明だからなんだと思う。
どうしたらいいか、答えは教えられないけれど、
いろんな先輩、特に父性から話を聞くのは、
男の子には、必要な気がした。

主人の事例は、子供達たちにこれからの社会を生き抜くための
勇気をもてる話だと思う。

主人は田舎育ちで、高校はそこそこの所しか通えず、
結局、手に職という感じで就職した。
エンジニアになった。
当時、派遣全盛期で、一回目の成功を手にする。
じきに、派遣切り。
脱サラをするものの、独立職は、なかなか軌道に乗らず。

落ち込み時代の末、(社会的には、落胆者、負け組時代)
もともと持っていたコミュニケーション力と、資格が
功をそうし、引き抜きにあう。
工場長、役員、社長と、プチサクセスストーリーを作った。

そんな主人に、次男が興味を持ち始めた。
進路を決めるにあたり、主人を兼ね合いに出し、
私にあれこれ聞いてくる。
直接、主人に聞けばいいのにね。爆

「次男が、お父さんの今の状態にとても興味を持っている。教えてやって欲しい」
って打診してみた。

主人が、ボソッと
「社会に出て必要なのは、学歴だけじゃないんだ。」
なんだか重みのある言葉だった。
そうよ。
それをもっと力強く息子に伝えて欲しい・・・

今日は二人で映画に行くらしい。
ふふふ。
何となく、不自然な空気感があるかもしれないけれど・・・
そこがいい気がした。
主人が語っちゃうといいなぁ。
今なら、父親の話を真剣に聞くと思うよ。
頑張れ、おやじぃぃぃ。
フレーフレー!!

でも、ちょっとさみしい母性のつぶやきでした・・・