ライター・インタビュー
息子さんがピティナのコンぺで、連弾の全国出場。 |
もともと保科先生はピアノ教師をしていた。
午前中はリトミックを教えて、午後は3時から8時までピアノを教える。
子どもは、当時小学1年生と3年生。
そんな2004年、充実しているかに見えながら、自分の中の限界と迷いを強く感じていた。
でも、音大での専攻がピアノ科でなく音楽教育科なので、演奏に自信がなく、
自分の指導に限界を感じていたんです。
さらに子育てが思うようにいかなくて…」
そこで出会ったのがコーチングだった。
コーチングに関する1冊の本を読んで、考え方を取り入れたレッスンにしてみたところ、3ヵ月後に、カワイのコンクールに生徒が9割も入賞するという快挙を経験。
す。教え込むのではなく、生徒から引き出す、生徒に質問して考えさせるように
なっていました。
曲についての漫画をかかせたこともありましたね」
コーチングの可能性に気づいた保科先生は、コーチの資格取得を決意する。
受講期間は1年半から3年かかる中、半年で資格取得。
週に2回、夜に電話会議に参加、ものすごい勢いで勉強した。
そして自分はこれでいいんだ、と自信を持てるようになった。
実は不可能ではなかった。
環境は手に入れる、つくりかえるものだと気がついたんです」
コーチとして仕事をしながら、自分のコーチにも継続してコーチングを受け、
多喜靖美先生のもとにレッスンに通い、ピティナの指導者検定にも合格。
プロ奏者と共演しながら学ぶ室内楽クラスも、4年間続けている。
「学びはライフワーク」という保科先生。
音楽面とコーチング面、両面からすさまじい勢いで学び続けた結果、
現在、生徒さんはコンペでも優秀な成果をあげ、息子さんはピティナの全国大会に4回進出し、入賞もした。
コーチングしたクライアントは、100人以上、時間数は1000時間を超えた。
最近は、クライアントであるピアノの先生から、生徒さんの動画を送ってもらい、
「何が気になりますか?」とレッスンの仕方について、コーチングを行っている。
曲の最初から順番に気になることを言っていくんです。
でも、それが本当に一番最優先の課題なのか、考えていきます。
まず全体を見渡して、テンポ感だったりフレージングだったり、
いま一番解決しなければいけないことから先に取り組むことが大事なんですね」
優先順位を正しくつけるのは、思いのほか難しいものだという。
クライアントさんのなかには、リトミックに音楽療法にピアノの個人レッスンと、
手を広げすぎてしまっていたところを、あえてどれか捨ててひとつに絞ることで質が上がり、
大きな成果が出た人もいるそうだ。
実は質のいい教室にしたかったことに気づくなど、
ご自分で本当にやりたかったことにみなさん気づいていきます」
自分がどこまでできているのか、できていないのか、
プロに寄り添って一緒に考えてもらえることで、自分の目標にブレることなく進んでいける。
そして、自分が受けたやり方でコーチングの手法をレッスンに取り入れ、
教え込むのではなく投げかける、引き出す指導に変わっていく。
保科先生自身もそうだったし、これまでコーチしたピアノの先生たちも、そのように大きく変化したという。
さらに自分の子どもがいれば、接し方がコーチング的に変化し、子育てにも良い変化が起きる。
一石二鳥どころか、一石三鳥も十分ありえるのだ。
コーチング的な対応はできません(笑)。
でも、ポイントになる場所では切り替えて、聞くようにしていますね」
最近では、保科先生自身、お子さんの受験のときコーチングに救われたそうだ。
子どもの用事が一気に増えて仕事に集中できない時期があった。
「いまは子どもに時間を割いてあげるべき」と頭でもわかっていても、
あせる気持ちがどうしてもあったのが、コーチに話を聞いてもらうことで、
気持ちの面でも「人生長いんだから、今ぐらいは子どもを一番にしてあげよう」と
心から思えるようになったという。
子育ての悩み、人生の悩み、生徒を増やしたい、指導に限界を感じる…。
自ら悩み、学び、成長してきた保科先生だからこそ、それぞれの目標を応援したい気持ちがある。
す。
先生方の生徒さんも、自分の生徒みたいな気分になってます」
セッションを始める前には、まずメールのやりとりをしながらオリエンテーションを行い、それから体験セッション(無料)、そこから改めて申し込む場合は、
月3回、3ヶ月のセッションから受けつけている。
セッションをしながら、実は無理じゃないことがわかって実現した、
そんなケースが少なくないんです。
もちろん短期間では達成には至らないこともありますが。
私のコーチングスキルで、先生方の本来持っている力を、
引き出すお手伝いができたらうれしいですね」